『皿の中に、イタリア』

内田洋子/著 講談社 2014.2.13

皿さらさらと、全ての皿を一気に読み終える。
内田さんはイタリアとイタリア人を素材にした名料理人、
それが ×(カケル)料理なのだから美味くないはずはない。
予想通りにウマ過ぎであった。

久しぶりに内田さんを読んで、すぐに、
なんでこのところ読まなくなっていたのかを思い出した。
ウマ過ぎでデキ過ぎであったからだ。
久しぶりでもおなかいっぱいで、またしばらくこの状態が続きそうである。

それにしても、料理は素材が大事だなあと、しみじみ思う。
イタリア人という素材のすごさ。
サルデーニャの羊飼いとペコリーノの話とか、
朴訥で素朴な人々の味わいが深い。

読み始めてすぐに思い出したことがもうひとつ。
最初に内田さんを知った本のことである。
訳書『イタリアを食べる』(ステファニア・ジャンノッティ/著)。
あれこそ一人の作者がつくる”私の”「皿の中に、イタリア」、
素敵な本であった。

しかし、おなかいっぱいなのになんで物足りないんだろう、私。
友人が、須賀敦子亡き後、須賀さんを継ぐ第一の書き手、
と手放しに絶賛しているから?
内田さんには決定的にないものがあるけれど、それはそれ、
それが内田さんなんだから別にいいも悪いもないのに、
やはり須賀さんに連なるのなら…、と思ってしまうからだろうか。

 

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