『戦後史の正体』朝日書評一部削除と、米の反「原発ゼロ」

イスタンブールから帰国後、二日目にしてやっとPC前に座る。
昨日は留守中の朝刊を、今日は夕刊をまとめ読み。

この間に、朝日新聞が『戦後史の正体』の書評冒頭10行を削除との報あり。
関連記事にコメントしていたら長くなったので、新規投稿にする。

◆朝日新聞が読書欄で異例の「訂正」 孫崎氏の著書めぐり

孫崎氏や読者の抗議を受けてのことだろう。
それにしても、日時や名称の訂正以外に初めて目にした「削除」、
かなり異例なことだ。
それだけ抗議が大きかったのか、それとも、それだけ抗議をモットモと取ったのか。

数日前の朝日新聞に、孫崎氏の近著『アメリカに潰された政治家たち』の広告が載っていた。
半4段ぐらいだったかな。そこに大きく”米の謀略”という文字。
敢えて”謀略”を使ってる?
たしかに、”史観”がつかなければそのままの意味だけどさ。

ここにも朝日の書評をヘンだと言っている人が。

◆孫崎亨著「戦後史の正体」への朝日書評の不可解

佐々木氏は、同書を「典型的な謀略史観」だというが、その「謀略」という言葉は、一体何を意味するのだろうか。
日本の戦後史と米国との関係について、「米国の一挙手一投足に日本の政官界が縛られ、その顔色をつねにうかがいながら政策遂行してきた」と述べているが、それは、孫崎氏が同書で述べていることと何一つ変わらない。孫崎氏の著書は、アメリカ側の誰かと日本側の誰かとの間で、具体的な「謀議」があって、そのアメリカ側の指示に日本の政治や行政がそのまま動かされてきたというような「単純な支配従属の構図」だったと言っているわけではない。むしろ、孫崎氏の戦後史には、「謀略」という単純な構図ではなく、政治、行政、マスコミ等の複雑な関係が交錯して、アメリカの影響が日本の戦後史の基軸になっていく構図が、極めてロジカルに描かれている。従来の「陰謀論」とは一線を画した、具体的な資料に基づく、リアリティにあふれるものであるからこそ、多くの読者の共感を得ていると言うべきであろう。

折りしも、以下の記事あり。

◆ 「日本の原発ゼロ容認できぬ」アーミテージ・ナイ両氏
本社・CSISシンポで米知日派の元政府高官 (日経電子版 2012年10月27日)

また、10/24日の朝日新聞には、米戦略国際問題研究所(CSIS)所長 ジョン・ハムレ氏に対するインタビュー記事『原発ゼロ、米が危ぶむ理由』が載った。

どうやら、アメリカの核・原子力に関する世界戦略には日本が必要だ、だから勝手にゼロを目指したりされるのは困る、ということらしい。

一方、アメリカではウィスコンシン州のキウォニー原発の廃炉が決まった(朝日新聞10/24日夕刊)。シェールガス発電のコストが下がり、原発は不採算となるためらしい。
原発技術の維持・推進を言うのなら、いっそ自国で原発を国策としたらどうかと思うけれど、どうやらそれを自国に求めるよりも、日本に求めるほうが簡単と見ているようだ。

しかし、アメリカの「懸念」、「容認できぬ」、「危ぶむ」といった”声”が、繰り返し押し寄せる波のように(マスコミに)登場するキモチワルサ。
内政干渉といった声は、まだどこからも聞こえてこない。

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