電子書籍の落とし穴

先日販売された『週刊エコノミスト』11/11日号を電子書籍で購入した。
池内恵氏の『–イスラム成立とオスマン帝国崩壊–
影響与え続ける「初期イスラム」現代を決定づけたオスマン崩壊』
という記事が読みたかったからだ。
結果、読めなかった。
ビューワーに記事が表示されない。

問い合わせたところ、「紙の書籍を電子化する際、出版社に著作権や許諾権のない記事や写真、図表などは掲載できません。書籍によって掲載されてないページは、黒などでマスキングされます。」との返事。
続けて、購入ページに「※デジタル版には一部収録されていない記事がございますのでご了承願います。」との一文があっただろう、と。

見てみたら、確かにありましたさ。
でもさ、これにしっかりと気づいたとして、自分の読みたい記事が収録されているかいないかはどうやったらかわるわけ !!! ???
買ってあけてみるまでわからないって何それ!! くじじゃないんだから!!!!

落胆深し。

もう電子書籍で「※デジタル版には一部収録されていない…」とあったら買うのやめようと、もちろん思ったわ。

で、この判断(要望)はだれ(から)のもの? 著者?? 出版社???
図版や写真の著作権保護はわかるけどさ、それで記事全体が読めないって、記事書く意味あるのか!!!

① マスキングはせめて図版と画像にしてほしいわ
② 購入案内ページにどの記事が収録されていないか明記してくれ !

プンプン!!

雑誌って電子書籍に向いてると思ってたんだけど、こんな落とし穴があるとは…。

後日談 11/8

honto に上記②の要望をメールし、著者のブログにもコメントを入れてみた。

まずhontoからは、「商品説明」は出版社からの情報をもとに掲載している、意見・要望は出版社にも伝え、商品内容をより明確に伝えられるようサービス向上に努める、という返信が来た。

自分たちに非はないと言ってるわけだけれど、売り手としての責任はないのかなぁ。数あるオンラインショップで同じ商品を売ってても、各社商品説明には工夫してるよね。結果、たてよこななめの写真やサイズ、重さまで明記しているところは、そうでないところより信頼感があるもの。

電子書籍をどこで買うかにはビューワーの問題もある。でも、やっぱり、しっかりとした商品説明のあるところで買いたいとしみじみ思った。

池内さんからは、お忙しいだろうにご丁寧なコメントあり。曰く、週刊エコノミストには連載記事を掲載している、それに関しては電子版の収録は許諾していない、何故なら、電子書籍の原稿料や掲載条件が自分の基準に合致しないからだ。今回の企画ものの記事に関しては出版社側から許諾確認が無く、自分からも申し出なかったので、連載物の不許可がそのまま適用されてしまったのだろう。そういう出版社とのやりとりの「狭間」のような案件で、気の毒であり、申しわけなかった、とも。

また、池内さんは、本というモノが電子書籍のデータに等価に置き換わることはない、どころか、データ化されることによってモノとしての価値は顧みられなくなる、それでいいのか!?という視点から、電子書籍の意味やメリットは認めつつも、疑問符なしの電子データ化にある種の抵抗を試みている。雑誌に書いた原稿の電子書籍化不許可は、その抵抗の一つである。

ここには発展途上の電子書籍の問題、日本の出版社や流通の問題、そして先日来思っているネット環境がシロウトの発信の垣根を低くしたがゆえの、プロの書き手の存続の問題がある。

ということで、池内さんの姿勢に敬意を払って紙版も注文した。

 

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