エジプト 出口はどこに?

流血の惨事:エジプトを巡る戦い
(JMPress 8/19 ←英エコノミスト誌 8/17)

ありがたいことに、エジプトはまだ、そのような運命(1991年から10年に及んだアルジェリアの内戦)に至るはるか手前にいる。だが、8500万人のエジプト国民の間に走る亀裂は、1953年のエジプト 共和国成立以来最も深くなっている。問題は、抑圧という手段が本当にムスリム同胞団への対処法となるのか、それとも単に暴力を増長するだけなのか、という点だ。

エジプト騒乱、落としどころは?/暫定政府とムスリム同胞団の出方に注目
(@nifty ニュース THE PAGE 8/19)

(双方が譲歩できるかがカギとなるが)ただし、楽観はできません。エルバラダイ氏が去ったことで、暫定政府内部の穏健派は柱を失いました。ムスリム同胞団にしても、多くの幹部が拘束されて統率力を低下させているため、例え対話に向かうとしても、激昂する末端の支持者を抑えることは、容易ではありません。

(同胞団の不満から)アル・カイダなど過激派の勢力拡大も指摘されます。そして、 過激派が台頭するほど、その取り締まりを名目に、暫定政府の中核を占める軍は、自らの支配を正当化しやすくなります。これらに鑑みれば、エジプトが本格的な内乱に陥る可能性は、決して小さくないのです。

エジプト:バラダーイーは沈黙のうちにウィーンへ
(Al-Ahram紙 8/18 日本語で読む中東メディア)

エジプト、死者800人超 暫定政権への支持根強く (朝日新聞 8/19)

強制排除されたムルシ前大統領支持派は激しく反発し、あくまで抵抗する構えだ。だが、軍と暫定政権への支持も強く、市民社会の亀裂がより深刻になっている。背景には、暮らしの再建や安定を求める庶民感情や、ムルシ派を「テロ勢力」とみなす国営メディアの報道もあるようだ。

軍議長、強硬姿勢を強調 エジプト 暫定政権支持求める (毎日新聞 8/19)

 シシ議長は「エジプトにはすべての人に居場所がある」とも述べ、モルシ派に暫定政権への支持を求めた。ただ、暫定政権は十八日の閣議で、モルシ前大統領の出身母体であるイスラム組織ムスリム同胞団の解散について話し合うとみられる。解散を決めれば反発は必至で、混乱が長期化する恐れがある。

 中東の衛星テレビ・アルジャジーラによると、モルシ派は十八日、全土で反暫定政権デモを開始した。カイロ市内での一部のデモは安全上の理由から中止された。

以下は、周辺諸国や欧米の思惑などについての一つの見解。
キリスト教徒などエジプトの少数派は弾圧者、ムルシ大統領の退場を歓迎しているが、「西側」が暫定政権に制裁を加えたならサウジアラビアと米国の間に亀裂も
(櫻井ジャーナル 8/18)

「西側」が暫定政権に何らかの「制裁」を加えたなら同胞団は軍との戦いを激化させ、暫定政権側はそれを押さえ込もうと弾圧を強化することが予想される。すでにアメリカの軍事援助は影響力が小さくなっているが(?)、これをさらに削減したり打ち切ったなら、エジプトやサウジアラビアとアメリカとの亀裂が深まり、アメリカの影響力はさらに低下することになる。バラク・オバマ政権は厳しい状況に追い込まれた。

上記のブログの櫻井氏がどういう方なのかは不明。
ただ、米だけでなくEUも、仲介失敗後どう圧力をかければいいのか、
何が有効なのか(エジプトにとって、いやそれ以上自国にとって)、
判断と選択の難しさに足踏みしているように見えるのは確か。
緊迫するエジプト情勢 支援やめるEU、やめられない米国 (NewSphere 8/19)
エジプト混迷 欧米諸国に手詰まり感 (MSN産経ニュース 8/19)

櫻井氏は同胞団の成り立ちから「決して平和的な団体とは言えない」
と書いている。
暫定政権はある時点から、「同胞団=テロ組織」キャンペーンを展開し始めた。
同胞団をどう規定するかが、今回の政変をどう見るかの入口であったが、
政権の「テロ組織」キャンペーンと解散検討には違和感だけでなく、
出口をいっそう遠ざけ、狭めるような危惧を感じている。
「同胞団の解散は解決ではない」と題するアラビア語紙の論説 (中東の窓 8/19)

そもそもムスリム同胞団とはどういう組織なのか。
おそらくその真の姿は私たちには見えないのではないか。
そうは思いつつも、『イスラムを生きる人びと』(2012.3)を読んだ。
朝日新聞中東支局長の川上康則さんの著書だ。
このことについては別に書くことにする。

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