オウムについて⑥ 遠のいた真相究明

オウムについて⑥ 遠のいた真相究明

7月6日、オウム真理教の死刑囚13名中7名が、麻原彰晃を筆頭に一度に死刑執行された。 これでオウム事件の真相の解明は一層遠くなった。 2015年にオウム事件を振り返った時から思っていたのは、そもそもこの国の司法には(民意も)、事件の真相を解明しよ …続きを読む

『六月物語』

『六月物語』

フィリッポ・デルボーノの『六月物語』を観た。 原初の演劇を見た気がした。 圧倒的なParoleとEmozione! そこに始まりの限りないPersonaleがあること…。 で、個人的なツボは、ジャニス・ジョップリンの『サマー・タイム』 …続きを読む

オウムについて⑤-2 『A』という視点 — A2, A3

オウムについて⑤-2 『A』という視点 — A2, A3

  森達也は『A』の続編を打診されても、「オウムに関しての表現は『A』で完結している」と応じないできた。興行成績の不振(それだって自主制作ドキュメンタリーとしては立派な数字だったのだが)に、世間が『A』を黙殺したとも感じていた。だが、何 …続きを読む

オウムについて⑤-1 『A』という視点 — A

オウムについて⑤-1 『A』という視点 — A

オウムについて考える時に、この人の視点をはずすわけにはいかない。地下鉄サリン事件後、教団に残る信者に密着したドキュメンタリー『A』『A2』を撮り、書籍化し、『A3』ではノンフィクションとして麻原彰晃の裁判を追った森達也である。その視点とは『A』撮 …続きを読む

オウムについて④ 死を善と呼び、美化するとき

オウムについて④ 死を善と呼び、美化するとき

村上春樹はオウム真理教を<正体不明の脅威=ブラック・ボックス>と言う。<ブラック・ボックス>を開いてみようとした村上の試みはいまだ道半ばで、この後は彼の本業での作業になるのだろう。道半ばは私たちにとっても同じで、事件が風化に流れる長い時間の底で、 …続きを読む

オウムについて③ 信者たち

オウムについて③ 信者たち

なぜオウム真理教に多くの若者が惹きつけられたのかを知りたくて、 村上春樹によるインタビュー集『約束された場所で』や、 信者や元信者の話、その他をいくつか読んだ。 (元)信者たちに共通するものは確かにある。 たとえば、生きることの意味に悩んでいたり …続きを読む

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オウムについて② 思い出した… 宗教の時代と行ってしまった友人のこと

オウムとISが「似ている」ということについては、宗教を掲げての殺人行為や、理想の共同体を暴力もいとわず目指す点、優秀な若者たちが参加していることや、彼らを勧誘するための「洗脳」(に近い)手法など、項目としては確かに同じ言葉を挙げることが出来る。だ …続きを読む

オウムについて① 20年目の検証

オウムについて① 20年目の検証

3月20日、地下鉄サリン事件から20年がたった。 これを機に放映された、オウム真理教についての検証番組を何本か見た。 NHKの番組では、警視庁による坂本弁護士事件の捜査が、神奈川県警との管轄問題でストップしたことや、教団施設への強制捜索で地下鉄サ …続きを読む