9割がたボランティアで、某サイトに旅関連の記事を書いている。基本の原稿料は同様の別サイトの十分の一で、子供の(しかも小学校低学年の)駄賃程度である。
そのせいだけではないのだが、まったくモチベーションが上がらない。それでもしぶしぶ月一ペースで三本書いた。止めるのはいつでもできるし、こんなふうに課される義務も我が身にはなんらかの必要性があるのだろう、と自分を鼓舞しながら。
今月もとっとと書いてしまいたいところであるがどうにも指が動かず、いやなことを先送りにするタチでもあり、ここで愚痴ることにした。
ライターはえらいなあ。いや、これを出来る人しかライターにはなれないってことか。と、友人ライターの苦労を思う。某サイトでもライターが多数執筆している。あの方々はどのようなモチベーションで書き続けておられるのであろう。旅が好きで、好きなスポットを紹介したいと、やはりボランティア半分なのだろうか。
それも多少はあるかもしれないが、プロの方はもっとシビアであろう。とすると、実績を作るため、とか? あるいは、某サイトの原稿料は基本料+アクセス数なので、私と違ってかなりのアクセス数を叩きだし、他と比べてそん色ないほどの額になっている、とか? でもでも、他と比べてという他だってそんなに高額ではないのだからして、やっぱりプロにはきつそうである。
昨年はDeNAのまとめサイトが問題になった。内容や写真が転用、盗用であることと、医療サイトの記事の信ぴょう性が指摘され、そのようないい加減かつ簡便な方法で記事を量産することを是とするようなマニュアルがあったこともあり、サイトの閉鎖に追い込まれた。
なかには旅の情報サイトもあって、検索でたどりついて読んだ記事は、内容的には結構まとまっていた。美麗な写真は全部どこかから引っ張ってきたみたいではあったけれど、記事内容がコピペかどうかの判断はできない。
以前、キュレーションサイトに、ここで書いた記事を丸ごと転載されたことがあった。何故気が付いたかというと、Twitterでたまたま私がフォローしていた人がツィートしてきたのが、キュレーションサイトの引用記事だったからだ。
そのキュレーションサイトには、引用元として元記事へのリンクは張られていた。が、サイト上には圧倒的な数の記事が、圧倒的な頻度でアップされており、おそらく検索順位も圧倒的であったのだと思う(さぞや広告で稼いだことであろう)。
このキュレーションサイトは怪しげな、おそらくは個人で運営しているようなサイトであった。ゆえにDeNAのように事件として浮上しないのだろうが、検索上位が至上命題のネット世界の構造では、有名無名、規模の大小を問わず、同じようなことは起こり続けると思う。
ところで、某サイトの原稿料であるが、クラウドソーシングでアマチュアライターを大量にリクルートし、かつコピペで記事を大量生産させていたDeNAの原稿料と、さして変わらない。いや、文字数にすると下手をすればもっと安いかもしれない。
某サイトはきちんと記事をチェックしている。良い記事が大事である、という姿勢で、マニュアルでもオリジナルな記事とオリジナルな写真を要求している。
それは良いのだが、アクセス数の伸び悩みから写真数を増やすことを推奨されるようになった。マストではないものの、以前の倍以上の写真を貼れることになった。が、原稿料は同じである。写真の数も文字数も関係無し。
アクセスを稼げば原稿料が上がるというのはシンプルではあるが、ここにDeNAと同じ落とし穴がある。一応のレベルの記事であれば、それがコピペかどうかを判断する術は、おそらくはない(SEOとしてはタイトルのつけかたで修正が入るくらいで、あとは文章の読みやすさやわかりやすさ、紹介スポットの魅力が正しく伝わっているか、という点で校閲されるくらい)。
出来るだけ時間をかけずにアクセスを稼ぎ出す記事を作成するにあたって、誘惑に負ける人がいないとは限らない。写真が大事と言われれば、文章を吟味する時間を削って写真選択と修正に励む。
もちろん、原稿料なんてたいしたことないんだから好きに書いてもいいよね、と自分に納得できる記事を書こうとする人もいるかもしれない(私です)。だとするとこの原稿料の安さは記事の内容アップのための戦略なのか?いや皮肉じゃなくて。にしても、そんな輩が多数派とは思えない。
DeNAの問題を掘り下げた記事から。
DeNA 「WELQ(ウェルク)」休止…まとめサイトの問題点と背景は
●クラウドソーシングで専門ではないライターに「大量生産」させていた
原稿料は異常なほど安く、…これは原稿執筆というより、コピペによるまとめ作業と言ったほうがよいだろう。記事を大量生産する工場のようであり、ライターにとっては内職のような作業であった。
内職ねぇ…、昔袋貼り、今コピペって?
友人ライターは以前、競争相手がシロウトのブロガーになってしまったと嘆いていた。彼/彼女たちはタダよりマシな程度で書くと。確かに、某サイトの書き手もプロアマを問わず内職なのかもしれない。が、内職が前提のサイト作りってなんだよ!?というのはある。
もう一つ、某サイト(だけではないが)で私が不透明だと思うことに、記事の広告収入がある。その記事がどれだけ広告料を稼いだかがまるで分らず、少しもその収入がライターに還元されない。ライターとはそういうものだというのなら、食べていける原稿料を設定すべきではないか。私見では、最低でも他のサイトの一本の額の三倍(かつ写真代は別途)程度にはなる。
いや、うちはあくまでアクセス数で原稿料を計上しますというのなら、厳密には広告売上貢献をカウントするべきだろう。Amazonの透明性を見よ! 広告料の利率は商品によって明解に規定されていて、×購買数できちんと支払われるのだぞよ。
もういっそAmazonに旅サイト作ってもらって、自分ブログに記事書いて、そこに広告貼ろうかしら。
そういえば私、ボランティアという美名のもと、本来は支払うべき対価を善意に負わせるのが嫌いだったんだわ。
ヤバい。愚痴ってたらモチベーションが更に低下してしまった…。
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