MTの個人サイト、ロリポップ・チカッパプランへの移行無事終了。
サブドメインにWPで設置していた非公開日記ブログも移行完了。
(それなりに大変だった 作業メモはこちら)
ここまでやってしまったので、チカッパ永久プランを本契約する。
仕事サイトの移行には覚悟がいるから、
とりあえずあっちはあっちでしばらく置いておくことに。
以下は、今回ほぼ同時にMTとWPを触っての超個人的比較。
MT歴5年、対してWP歴1年。
MTに関しては、関連本10冊くらい読んで勉強したし、
マルチブログで束ねたボリュームのある構造でサイトを三個作った。
一方のWPはほんとんど学習なしではじめて、必要に応じてネット検索しただけ。
かけたエネルギーと時間の差があまりにも大きく、
前提として決定的にWPの知識とスキルが低い。
なので、両方同じに動かせる人のような公正な比較ではないけれど…。
MTのメリット
1. なんといっても、Multiblog 機能(ただし 追記11/2 のようにWPでもある程度は可能)
➾ 複数のブログを関連させて重層的な構造のサイトが作れる
例えば、トップに設置したページに任意のブログの投稿情報を、タイトルだけ、あるいはタイトルと概要など、MTマルチブログタグで任意に表示させることが出来る。
またMT5からトップ階層に「サイト」が設置されるようになったので、重層構造の作成がより楽になった。
2. 静的生成でHTMLファイルが作成される
➾システムに何らかの異常があっても、ファイルがサーバーに残っているので、閲覧には問題がない。また、サイトのコンテンツファイルなども残る。
3. MTテンプレートタグがhtmlタグに似ている
➾ html をある程度知っている人には構造のカスタマイズが楽
4.(現状では)開発が日本で行われている
➾ プラグインその他、日本語化の作業が不要
5. 管理画面でテンプレートや記事などを横断した検索・置換が可能(WPもプラグインでできるが…)
6. デフォルトでプラグインなど豊富な機能が組み込まれている
7. クラウド版については不明
➾ それなりに運営コストをかけられるビジネスサイトにはメリットがあるのかも
MTのデメリット
1. 記事投稿その他作業後に再構築が必要
特にブログの記事数が増えてくると時間がかかる。これにより、サーバーのアクセス時間の制限が短い場合、再構築エラーになる。
また、外部ブログを取得している場合、更新の反映には再構築が必要となる。サーバーでCronを設定し、自動再構築されるようにすれば解決されるが(それでも随時反映とはならない)、少しハードルが高い。
2. プラグインの導入が管理画面からできない
3. バージョンのアップグレード作業が管理画面からできず面倒
4. MT6(2013.10月)からビジネス使用が有料のみとなった
WPのメリット
1. 投稿に再構築が不要で、管理画面と投稿サイトの移動もスムーズ
➾ 日常的なブログ更新がストレスなく気軽にできる
2. プラグインの導入、バージョンアップ、WPのバージョンアップが楽
➾すべて管理画面から可能で、手間も時間もかからない
3. 利用者が多いため、サイト上に解説サイトや事例が多い
4. 豊富なプラグインで機能のカスタマイズが簡単にできる
5. 個人使用・ビジネス使用とも無料(有料版もある)
WPのデメリット
1. 重層的な構造のサイト構築が少し難しい
➾ できないわけではないが、基本的な初期設計が単発ブログであるため、ハードルが高い(プラグインを駆使する必要あり)
2. テーマの構造的なカスタマイズにはPHPの知識が必要
3. アクセス時、動的にページが生成される
➾ サイトの規模が大きくなりアクセス数が増えてくるとサーバーに負荷がかかり、ページ表示が重くなる
4. デフォルトのままではすぐに機能が物足りなくなり、自分でプラグインを入れなければいけなくなる(それが楽しかったりはする)
5. プラグインの日本語化や、サイトのフォント・管理画面のフォント(デフォルトは見にくい明朝)の修正等、余分な手間がかかる
超個人的感想
いやあ、それぞれにメリット・デメリットがあるもんだねえ。
細かく見ればもっとありそう。
で、どちらを選べばいいのか。
構築を業者に任せるなら、いずれでもそう変わりはないのかもしれない。
一方自分で最初からやってみようという人。
間違いなく言えるのは、単発ブログを書くだけで、
カスタマイズなんかほとんどしない、という人はWordpressがおすすめ。
既存のブログサービスよりずっと自由度が高いし、
プラグインで様々な機能も追加できる。
テーマも豊富だし(デザイン的なカスタマイズをCSSでやるのはどちらも同じ)。
Mobvable Type がおすすめなのは、
複数ブログを束ねて重層的な構造のサイトを作りたい人。
MTではコミュニティブログなんかも簡単に作れるので、
家族や友人どうしでサイトを作るのにも向いている。
ビジネスサイトもMTのほうがいいように思う。
ネックはMTのビジネス利用有償化。
とりあえず現行のMTOS(オープンソース)版か、個人利用無償版を使ってみて、
これならお金払ってもいいと思ったら購入するとか…。
デザインと機能のカスタマイズについてはたぶんそう優劣はない。
あとは再構築の有無と静的生成か動的生成かの違い、
最後はサイトの構造をどうするか、かな。
私の方針
●仕事MTサイトはこのままMTOSで様子を見る
●個人MTは最新版にバージョンアップしながら使い続ける
●ブログの書きやすさはWPが優れているので、MTにWP組み込みをトライする
いいとこどりで両方使おう! が結論。
(➾ と言いながら、2014年末にはすべてのブログをWPに移行してしまったのだが…。)
追記 11/2
WordPressもCMS機能の強化を目指しているが、
それはどうだろう ? という記事を読んだのをきっかけに、
マルチブログ化について調べてみた。
WPはすでに(3.xから)複数ブログがひとつのWPで作成出来るらしい。
WordPressのマルチサイトの設定方法|1つのWPで複数のブログを管理しよう(〜ver.4.0)
作業的にはちょっとめんどくさそうだけれど、複数ブログを作る分には問題なさそう。
ただし、各ブログの連携はどうなんだろう ? という疑問は残る。
それから、この機能を利用できないサーバーもあるとのこと。
追記 2014.8月
そういえばあの時、結構苦労してMTサイトを別サーバーに引っ越したなあと、
記事を読みかえして思い出した。
なんといっても、カスタマイズして作り込んであったMTに愛着があったのだ。
大変だったのはActionstreamとCron設定。
あれこれ試行錯誤の結果、なんとか稼働していた(はずだ)けれど、
ときどきレイアウト崩れとなる。Cronによる再構築で、
本来は利用していないトップのサイトが再構築されてしまうのが原因だった。
そのうちテンプレートとCSSがうまく読み込まれなくなってしまい、
今年3月、ぷっつ~ん、とWordpressに変更してしまった
(Multiblog ×2 のうちメインとなるものをとりあえず一つ)。
WPはRSSでフィードの読み込みが実に簡単にでき、Cron設定も不要。
残りblogはこれでWPに組み込んでおく。
MTのサーバー引っ越しより、MTからWPへの引っ越しのほうが全然楽であった。
テンプレートキングのテーマはMTと同じデザインでWPもある。
が、この際なので新しめのWPテーマに変更する。
続いて5月にMultiblogの残りのひとつも引っ越し。
二つのブログをどうWPでマルチ化するかに少し悩んだ。
もうひとつWPをインストールして、
RSSフィード取得で行くか、それとも他の方法にするか…。
結局、管理画面を複数にしたくなかったので、
シンプルにWP一つとし、カテゴリ階層をもう一段深くすることにした。
MTのMultiblogで処理していたカテゴリ別タイトル等の読み込みは
プラグイン List category postsでOK。
複数の固定ページを組み合わせれば、MTの2blogと同じ構成となった。
解ったことは、プラグインやテーマの選択と工夫次第で、
かなりのことがWPでもできるということ。
MTはMultiblogで複雑な構造のサイトを作れると散々書いたけれど、
私の個人サイト程度の構造では全く問題なし。
7月に変更したテーマVirtueではportfolio機能も使えるし、
デフォルトで画像もLitebox化されるなど、むしろ表示の幅が広がった。
というわけで、いまやMTは仕事サイトをひとつ残すのみとなり、
ますますWP依存度が増している。
MTサイトは商用なので6へのバージョンアップも(高くて)できず、
MT6がどれほど進化を遂げているのかも相変わらず検証できず。
よってMTとWPの比較検証もすでにフェアには出来なくなっている。
その後 ~2017.6月
2014年末に、最後のMTサイトもWordpressに移行し、以後MTを触っていない。WP歴がMT歴を追い越そうとしている。
それでもMTがまだ個人ユーザーにはライセンスを無償で提供し、2018年にはバージョン7を発表すると聞き、健在なのはうれしい。おそらく使い勝手も良くなっているであろう。
触っていないのでMT6の良しあしに言及はできないけれど、あれからWordpressをさらに2年半利用してきて感じたことを少し追記しておこう。
WordPressで良かったと思ったこと
1. プラグインの豊富さ
定番プラグイン以外にも、優れたプラグインが数多く発表されている。
その後導入し、気に入っているものには、
Featured Image From URL(外部サイトから画像を簡単に挿入でき、アイキャッチ画像も設定できる)や、Wp Posts Carousel(カルーセル挿入がウィジェットで自由自在)などがある。
2. テーマの進化
WPのテーマは、公式テーマが毎年発表されるが、それ以外にもデザイン性やカスタマイズ性に優れた無料テーマがたくさんある。数が多すぎて選択が難しいのがネックとも言えるけれど、変更は簡単だし、テーマ選びも楽しい。
優良なテーマは更新も多く、最初は無料版がレスポンシブでなかった当サイトのテーマ WH Magazine Lite も、いつのまにかレスポンシブ対応となり、進化をつづけている(テーマは2017年7月初め、有料版 MH Magazine 3.8.1に変更。レイアウト等カスタマイズは引き継いでいる)。
WordPressで苦労したこと
1. テーマ更新によるデザイン崩れ
WordPressは更新が頻繁に行われる。プラグインやテーマも(優秀で人気のあるものは特に)更新が多い。テーマの場合、カスタマイズしていなければ気にせず更新しても問題はないのだが、子テーマやカスタムCSSでカスタマイズしていると、構造やCSS処理の大幅な変更によりレイアウトが崩れてしまい、修正が大変なことがあった。
2. セキュリティーリスクとサーバー選択の重要さ
利用者の多いWPは、脆弱性を突かれたサイト改ざんのリスクも大きい。この間に友人たちと作っていたマルチサイトが二度被害にあった。
一度目の被害はテーマPHPファイルのパーミッションが甘く、外部からマルウェアのスクリプトを仕込まれてしまうというものだった。サーバーの仕様により、管理画面でPHPファイルを編集する場合、パーミッションを甘くしないと修正ができなかったのだ。作業後パーミッションを元に戻すのを忘れたうっかりミスが原因であった。
ブラウザのFirefoxの警告で気が付き、原因もすぐに特定でき、修正も簡単だったのが不幸中の幸いであった。ファイル改ざん騒ぎはロリポップで大掛かりに発生し、話題にもなった。油断大敵である。
もう一つの改ざんも同じサイト。このサイト、次第に動きがなくなってきており、私も運営から離れていた。ということは、適切な更新がされていなかったということ。しばらく前、Wordpress4.7.1の脆弱性で、外部から投稿ページがハッキングされてしまうという被害がかなり出た。友人サイトもこれにやられたのだ。WPを更新し、リビジョンで元記事に戻して解決とはなったのだが。
私が利用しているサーバーは、ロリポップとWordpressに特化したwpXサーバーの二つ。他にテスト環境がウェブクロウにもあるが、いずれのサーバーからも、脆弱性のお知らせと4.7.2への更新を促すメールが届いていた。友人サイトの利用サーバーからはどうであったのか。
この件では、wpXサーバーはただちに、問題となるAPIへの海外からのアクセスを制限できる機能を、サーバー管理画面に設置した。デフォルトでONになっており、必要な場合は機能OFFにできるというもの。迅速かつ適切な対応だった。もし友人サイトがwpXサーバーを利用していたら、WPを更新していなくても、トラブルを免れたかもしれない。複数ページのハッキングはいずれも海外からのものだった。
セキュリティ対策には、こまめな更新と、問題に素早く対応するサーバーの選択が大事だと思い知った。wpXサーバーはWordpressに特化しており、管理画面もわかりやすい。海外IPアドレスからのダッシュボードへのアクセスもON/OFFで制限できる。ちなみに友人サイトも、これからも続ける気持ちがあるとのことで、これを機にwpXサーバーに引っ越した。
WPはマイナーアップデートは自動で行われるようになったけれど、メジャーアップデートは手動で行う必要がある。大事なのは、サーバーからの連絡があったらただちに対応することと、こまめに管理画面を覗くこと、だろうか。うかうかしていると、プラグインの更新が山のようにたまっていたりするので。
WordPress放置の危険性について
友人サイトの4.7.1のハッキングでは、Hacked By GeNErAL という記事に改ざんされたページがあった(Hacked By ~ は他にも多数あるらしい)。子供悪魔のイラストとリンクが貼られたものだが、この記事タイトルで検索すると、膨大な数のページがヒットした。問題が顕在化してから1か月半ほどたった時点での話である(今もそのまま掲載さているページもかなりある)。
つまり、それだけの運営者が、自分のサイトがハッキングされているのを知らずいる、ということである。just for fun と、ただのいたずら(ある種の警告?)にとどまっているものもあるようだけれど(その振りだけということもあるが)、100%悪意、もしくは犯罪的な改ざんもあり得る。なかには、丸ごと違うサイトに乗っ取られていた、という事例報告も読んだ。
WordPress放置により、乗っ取られたサイトで詐欺行為が行われる…。これは自サイトを守るセキュリティリスクを超えた責任問題である。
もしほとんど記事を書かなくなって、更新も面倒で放置するようになって、それでもサイトを残しておきたい方には(記事コンテンツとしてとっておきたい気持ちはわかる)、ひとつおすすめがある。次に紹介するWordpress.comかMovableType.netへの移設である。サーバー代もかからないし、独自ドメインでなければ無料のままずっと置いておける。
プレインストールサーバーに管理を任せるという選択
WPにもMTにも、それぞれWordpress.comとMovableType.netという、あらかじめサーバーにWPとMTがインストールされているブログサービスがある。いずれも制約はあるけれど、更新等の管理に煩わされることがないのがメリットだ。セキュリティーもお任せでいられる。
自力で運営する場合はサーバーをレンタルする必要があるので、サーバー代プラスアルファ(Wordpress.comは無料プランもある)で運営できるというのは、技術的な部分が苦手な方や、その分のエネルギーを記事作成にあてたいという方には、検討してみる価値はある。
この場合どちらを選ぶかであるが、完全無料ではじめたい方で、単独ブログの場合はWP.com、独自ドメインである程度重層的なサイトを作りたい方はMT.netだろうか。
友人サイトは、複数の書き手によるそれぞれのブログを束ねたサイトなので、しばらく前のMTからWPへの引っ越しでは、複数のWPをサブドメインにインストールし、メインサイトにWP-RSSImportやRSS Antennaというプラグインで、各ブログの記事タイトルや概要を表示させるようにした。
これを今の時点でやるとしたら、WP.comはプラグインが利用出来ないから選択肢とならない。サーバー費用が月1,000円が2,100円(年払いの場合)となってしまうことをメンバーが了解してくれるのなら、おそらくMovableType.netを選んだのではないかと思う。MT.netはなんと、再構築が不要とのこと。これは大きい。
参考:
まだCMSのアップデートしてるの?メンテナンス不要なWordPress.com とMovableType.netを比較してみた
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