昨日のニュースでは、米国務副長官がエジプトを訪れたことを書きそびれていた。
バーンズ副長官はマンスール暫定大統領らと会談したが、
「モルシ支持派と反モルシ派の双方が米国に不信感を抱いており、
イスラム政党やデモを主導した市民団体は会談を拒否した」
・<エジプト>米国務副長官が訪問 市民団体は会談を拒否 (毎日新聞 7/16日)
この記事にもあるように、夜の衝突では死者が出ている。
また、逮捕者もかなりの数になっているようだ。
・エジプト情勢の急変 (中東の窓 7/26日)
夜間のムルシ-支持派警官との衝突で7名が死亡した由です。
トルコのhurriyet net によれば死者は陸橋のうえで2名、ギザで5名の由で、差に260名以上の負傷者が出た由。
そして同日、暫定内閣が発足した。
シシ国防相は副首相も兼任。女性閣僚三名、コプト教徒も三名。
ただし、同胞団はもちろん、ヌール党も入っていないようだ。
・エジプト:国防相が副首相兼任 暫定内閣が発足 (毎日新聞 7/17日)
・エジプト政府の発足 (中東の窓 7/17日)
同胞団の反発は必至だけれど、今日の朝日の川上中東支局長の記事には、
世俗側から同胞団への歩み寄りが報告されていた。
・エジプト分裂避ける試み 反ムルシ活動家、支持派デモ合流 (朝日新聞 7/18日)
同胞団内部にデモ隊を離れる改革派がいて(毎日新聞)、
一方では世俗派から同胞団のデモへの参加者がいる。
これらのことを、様々な融和の試みだと、考えていいのだろうか。
昨日、エジプトは「民主化」を模索する大きなうねりの中にいる、
と書いたけれど、選挙にしろデモにしろ、問題は、
民意がどこかでねじれていくことだ。
政治の力が、当初の国民の意志を、あとから踏みにじっていく。
これはエジプトだけの話ではなくて、日本も全く同じだけれど。
違うのは、「民意」が踏みにじられたとき、国民がどう動くのか。
目先の金が大事な国民は、
それ以外の「民意」が多少捻じ曲げられても平気でいるけれど、
仕事もパンも油もない人たちは、真剣に怒りをぶつけるのだ。
彼らはまた、デモを変革の手段に為し得た成功体験を持っている。
だがその後、改革の頓挫という失敗体験が続いた。
失敗体験から学び、それを力にするには相当の時間と能力の結集が必要だ。
それが、うねりということなのだろうと思う。
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