秋・冬の地中海は航海に向かない。
カプリ島からアマルフィまで船で渡ったことがある。
稲妻に刺し貫かれるようにして着岸した船は、乗ってみれば大揺れで、
大きなスーツケースが床を右左と滑り、二時間ほどがとても長かった。
普段はおしゃべりなイタリア人も、皆うつむき加減に沈黙していた。
10月の末、シーズンの最終便であった。
本格的な航海シーズンは春から、
それも3月はまだ天候も不順だから、今ぐらいからではないかと思う。
航海の季節が訪れるとともに心配していたのは、
北アフリカや中東からの難民船も増えるのではないか、ということだった。
4月に入るや立て続けに以下のニュース。
シチリア島沖で移民730人を救助 イタリア海軍 (CNN 2014.4.3)
川崎汽船/ソマリア等の難民199名救助に (LNEWS 2014.4.11)
イタリア海軍、4日間で6000人の移民救出 (CNN 2014.4.12)
UNHCRによると、今年、船でイタリアに到達した移民の数は約1万8000人に上るという。昨年の合計は約4万3000人で、そのうち国籍別で最も多かったのは内戦から逃れてきたシリア人で、1万1300人以上だった。
UNHCRは各国に、移民が無謀な航海で命を落とすことがないように合法的な移住手段を模索するよう呼び掛けるとともに、海上の移民を連携して救出するように要請している。
記事によると、6,000人は40隻以上のすし詰めの船から救助されたという。人数もだけれど、シリア人の数も去年より増えているように思う。
しかし、合法的な移住手段って…、模索って…。それがあれば誰も危険な海を渡ろうとなどしないのではないだろうか。
以下の関連記事もご参照ください。
コメント