SIMフリーへの道 with iPhone 6(その後の顛末追記 12/27)

iPhoneて、高いおもちゃだなあと思う。
しかも依存性も高い。

先日、iPhone6 SIMフリーを注文してしまった。
届くまでにまだしばらくかかる(12/3以降というだけで、いつになるのか不明)。
値上げしたにもかかわらず、あいかわらず人気なんだろうか。
数日遅れて注文したケースはもう届いてるっていうのに。

現行のiPhone5、キャリアの契約プラン終了までまだ半年ほどある。
ということは、iPhone5の機種代月割りも同じだけ残っているわけで、
当初はこの「二年縛り」終了を待ってSIMフリー化しようと思っていたのだが、
考えが変わった。

まず、通信コストを見直してみたところ、違約金と機種代残額の計が、これまでの三か月分の費用とほぼ同じということがわかった。ソフトバンクSIMから格安SIMにすれば、月々の費用は四分の一程度になるのだから、さっさと見切りをつけたほうが得策だと思ったのだ。

加えて、来年一月のモロッコ行きが決まったこと。現地でプリペイドSIMを入れるのに、最近電池の持ちが極端に悪くなってきたiPhone4s(+SIMロック解除アダプター)がちと不安だったのだ。どうせならストレスなく最新版を使いたい。

通信コスト削減にも、ストレスなく使うにも、まずはiPhone5でSIMロック解除アダプターを利用するという手がある。ただし、安定して使えるかどうかと、OSバージョンとのからみもある。ファクトリーアンロックは良い方法だと思えるけれど、それでも費用はかかる。いっそ格安スマホにするという案は、これは候補にもあがらなかった。そこそこのデスクトップPCが二台買える値段の iPhone を、しかも機能的な不足も不具合も何もないものを、二年もたたないうちにどうして買い替える必要があろう。でも、なんとなくムズムズしてきて、つい…となってしまう。これが iPhone 依存症のコワさだ。

ただし、ここにはキャリアの仕掛けもある。月割りで機種代金を(見かけ上)ゼロにして、新機種変更に釣り上げようというセールスに、誰もがパクリと喰いついてしまう。私も4sから5への機種変で、代理店のキャッシュバックというおまけつきで釣られた口だ。かくしてまだ十分使えるiPhoneを三台も保持するはめになりつつある。でも、待望のSIMフリーなんだし、今度こそ長く使うぞ !! と決意はあらた。Appleからの購入で端末代金がしっかり可視化されたので、このあとはきっと(たぶん、か ?)踏ん張れるだろう。

しかしここまで、長い道のりだったなあ。イタリアで携帯電話を買ったのは10年以上も前のこと、あの時から待ち望んでいたSIMフリーである。iPhone の登場に、これで世界のどこでも一台で現地キャリアが使えるようになる、と期待したけれど、見事に裏切られた(キャリア大手三社の料金設定を見るに、これはカルテルだし、独禁法違反だよ)。

注目されるのは、来年5月のSIMロック解除義務化である。キャリアはどのような売り方でSIMロック解除に対応するのか。これを待って機種変更するというのも選択肢のひとつだった。けれども、これまでで不信感一杯な私は、ほとんど考慮するに値しないという結論に至った。

キャリアは当然自社に囲い込みたいわけだから、簡単に乗り換えられないような方策を取るだろう。購入後解除まで一定程度の縛りが設けられる可能性もあるし、SIMフリー機種代金を高くするかもしれない。SIMロック解除しない場合の割引を大きくし、結果的にSIMフリーを割高に設定することも考えられる。いずれにしろ、一見消費者に有利に見える形でSIMフリーを規制しようとするだろう。これを消費者がどう判断するか。SIMフリーでなくとも良い、いやSIMフリー反対、などという人も出てくるかもしれない。

総務省の『SIMロック解除のガイドライン』で何が変わるのか
(石川温氏寄稿/週刊アスキー 11/2)
SIMロック解除に関する論点を総務省ガイドラインから整理する
(ケータイWatch 11/07)

結局、これまで日本でSIMフリー化が進まなかったのは、大手キャリアやAppleの売り方だけでなく、消費者もそれを良しとしてきたからでもある。機種代ゼロ円やキャッシュバックというエサに、入れ食い状態だったのだ。孫さんも、SIMフリーiPhoneはそれほど売れていない。一般ユーザーはSIMフリーをそれほど望んでいない、と発言をしている。

だが、これまでがそうだったとして、これからもこのままなのか。
日経の記事から。

消費者の声も総務省を解除に駆り立てた。同省に日々メールで届く意見には「『SIMロックを解除してほしい』というものが多い」(担当者)。使い慣れた端末のまま格安スマホ会社に乗り換えたいという声だ。

13年7月にはあるオーストラリア人男性から意見が寄せられた。
「日本でソフトバンクのiPhoneを買って帰国したがSIMロックがかかっていて使えない。私の所有物なのになぜ制限されるのか
SIMロック解除は世界の流れだ。5月に米国が解除を始め、先進国で解除しないのは日本だけになった。20年の東京五輪を控え、SIMロックを放置できなくなったのも事実だ。
「通信3社は頼れない」 SIMロック解除(真相深層) (2014.8.8)

MVNO(NTTなどの回線を利用する格安SIM)利用者は12%と、どこかにあった。格安スマホが底を上げているにしても、これは結構な数字ではないだろうか。消費者はそろそろ、「お得」に釣られて高い通信代を月々払わされていることに、気付いていると思う。

それ以前に、オーストラリア人が怒るように、本来開かれた市場であるべき場で、技術的システム的には可能であることに対して、購入した消費者に選択の自由がないということのおかしさがある。イタリアで13年前に買ったサムスンの携帯は当たり前のようにSIMフリーで、行くたびに一番近いショップでキャリアに拘らずにSIMが買えた。これでどれだけ助かったことか。その意味でも、MVNO販売業者は今が勝負時だろう。注目すべきは、むしろこの部分の動きかもしれない。

さて、ではそのMVNO、どこを選べばいいのだろう。しばらく前にBiglobe が通話付きでMNP(携帯番号ポータブル)も可、という格安SIMを出したのが気になっていた。が、調べてみたら同様のものがいくつもある。選択条件は、というと…、

  1. 使用限度量2G/月程度で納得できる料金であること(現行より通信コストが下がらないことには意味がないので)
  2. 通話付きでMNPが可能であること
  3. 留守電機能があること
  4. SNSが利用できること
  5. 国際ローミングで通話ができること(現地SIMを購入するまでの保険として)
  6. デザリングできること
  7. 縛りがない、もしくは期間が短いこと
  8. プラン変更が出来ること

この全てをほぼクリアするサービスが Freetel の「フリモバ」であった。ほぼ、というのは縛りが契約自体にはないものの、MNPの転出に関して12か月目までは段階的に解除料がかかるため。あとは、契約容量を超えた場合に追加購入ができ、余ったら繰り越せれば言うことはないけれど、この二点は将来的には可能になるとのこと。またプラン変更ができるというのも高得点。BICカメラのSIMやBiglobeはWifiスポットが無料など魅力ではあるが、考えてみたらこれまでほとんど利用することも無かったので、Wifiスポットは選択条件から外した。

キャリア三社が、まったく同じ内容で、かけ放題と定額データ通信の二年セットプランを出した。これに変えれば、私の場合現行より多少割安にはなるし、電話をよくかける人にはこのプランの方が得だ、と言われている。問題は通話部分で、テキはここを攻めてきたわけだ。

これに関しては、データ通信のみのSIM+050のIP電話、という選択肢も考えてはみた。Pointyという、データに050がついてくるSIMもよさそうだった。だが、050では緊急電話がかけられない。知人友人仕事関連に携帯番号の変更を伝えるのも面倒だ。発信にIP電話を利用するにしても、受信用にはこれまでの番号は必要だ(少なくともあとしばらくの間は)、と判断した。また、現行の携帯通話料金の半額で、携帯番号から電話をかけられるサービス、楽天でんわというのもある。競争があれば、色々出てくるものなのだ。

Freetel はSIM新参業者なのでまだ口コミ評価は少ない。もしかしたら割安な分速度が出ない、などということもあるかもしれない。でも、もう縛りは(ほぼ)ないんだから、どんどん業者を変えればいいだけの話である。これが健全な市場の在り方だという当たり前のことを、なんだか長く忘れていた気がする。

追記 12/1

OCNモバイルONEが今日から通話付きを売り出した。

信頼性も高いし、上記の条件は全てクリア(6か月内は解約違約金がかかるけれど)。
加えて、0505plusが無料。もう一つ加えて、一日利用限度量なしというオプションを購入化。旅行時などに便利である。

なのでこちらに申し込む。

MNP移行で携帯電話番号が2-3日使えなくなるけれど、0505plusに独自に申し込んだらIP電話が即使えるようになった。(実際役に立った)。(050番号は、あとからOCNモバイルONEに無料でついてくる番号に統合という方法があるとのこと)。

その後の顛末+ 12/27

その後の顛末を書こうと思っていたらはや年末である。
仕事サイトのWP移行や、某見積りサイトの仕事でドタバタしていた。

(関係ないけれどこの見積り作業、営業のあまりのプッシュにお試しで乗ってはみたものの、ボランティアならまだ誰かの役に立つのが、これはただゴミ(私の見積書)を増やしているだけといった感触で、ほとほと疲れてしまった。INなくしてOUTばかりの上に、自分のエネルギーを注いだ結果がゴミではあまりに悲しい。正規契約ではそのうえ見積りサイトに支払いが発生する。ボツとなった見積書は、ただの疲労と時間的ロスだけでなく、金額的ロスの証ともなる。想像するに、次で取り戻そうとする心境になるだろう。つまり、「一度くらい勝たなきゃやめられない」。でもこれってカジノで言うセリフであって、日の当たる労働の場で言うべきセリフではないのではないか。それに、こういう見積りサイトで依頼するひとたちはみな金額重視。そもそも私みたいなのが金額重視で勝てるわけがないのである。自分の強みで勝負しなくてどうする、である。いや、もう勝負そのものがしたくないかも。ということでこれ以上ストレスが溜まらないうちに、貴重な時間も無駄にしないために、このあたりで打ち止めにしようと思い始めている。と、それで少し気分が良くなって、iPhoneのことを思い出したのである。場違いなグチではあるが。)

iPhone6は、予定の数日前、11/30日に届いていた(と書くのを忘れていた)。

12/1日にSoftbankに携帯番号移転を電話申請し、MNP移転予約コードをもらい、OCNモバイルONEを注文。待つことしばし。が、なかなか届かない。遅い! へたしたらソフトバンクの締日を過ぎてしまい、1か月余分な支払いが発生してしまうではないか。問い合わせるもまだコールセンタースタッフも不慣れな様子で、いちいち時間がかかる。が、かんじは悪くなかったので、焦らず、怒らず、素直に待ちわびた。

ところで、まっさらなiPhone6である。早く使いたい。ソフトバンクのiPhone5のSIMを6に差してもいいのだろうか。これも問い合わせると、持ち込み機種変更手続きが必要とのこと。手数料が3,000円ほどかかるという。しかしである。すぐにOCNのSIMが届くのに誰がそんなことをするだろう。使えないなら使えないで、番号切り替わるまでiPhone5でいいんだし。

と、電話口では言わなかったけれど、迷うことなく6に差し替える。前にも書いたように、イタリアの携帯電話では、いつも迷うことなく、誰に文句を言われることもなく、解除(変更)手数料など一度も払うことなく、他社のSIMに差し替えていたのだ。端末が変わってもただ差し替えるだけでOK、というのがSIMフリーってもんでしょう。
これに関しては、他社の通信環境でも同様に利用できるかどうかは検証していないので、というようなことが言われるようだ。が、なんだか腑に落ちない。技術的なことはわからないけれど、本来、使えるべき、ではないのか。それにiPhoneは世界仕様ですぜ、おねいさん。

ということで5から6にソフトバンクSIMを差し替え、まったく問題なく使用していた。

一週間を経過した頃のある朝、気付いてみたら携帯番号が利用不可になっていて、めでたくソフトバンク解約となった。翌日(翌々日?)だったかにOCNモバイルONEのSIMが届き、入れ替え。あっというまにアクティベイトも終わり(詳細な手順を覚えていないくらい)、スムーズにSIMフリーへの道を歩みだしたのだった。

その後、050plusの最初の契約をSIM付帯無料契約に統合(最初の番号を活かし、SIM付帯番号を解約)。これはサイト上のマイページからもできる。私の場合、あれこれ相談に乗ってくれたコールセンターのお兄さんが後日確認電話もくれて、引き落としカードの統合などの手続きもやってくれた。時間がかかったり、手際が悪かったりしたけれど、それを引いて余りある気分のよさ。ああ、ほんとSIMフリー、気分がいいわぁ。

OCNモバイルONEは管理アプリがあり、どれくらい利用したかが一目瞭然にわかる。これで日々の利用量を見て、実は私は愕然としたのである。三週間のデータ利用料、なんと7MB。ちなみに一日の利用上限70MBの契約である。

なんとなんと、私ってばこんなもんだったのね。確かに引きこもりの日々、ほぼオールWifi接続だけ、ではあった。たまの外出でも、Twitterチェックすることもなく、メールも送らない。まして動画など見ることもない。せいぜい電話を使うくらい。そりゃカルチャーセンターやスーパーや郵便局やATM行くだけだもん。やはり可視化というのは大事だなあ。今回つくづく思い知ったのはこのことであった。

今日、SIMフリーiPhone関連事項が急に浮上したのは、1月後半のモロッコ準備にそろそろ気持ちを切り変えるべく、予備に持っていく端末をiPhone4sではなく5にしたいなあ、などと思い始めたからである。5にロック解除アダプターつけて持っていければ、それがベスト。でも相変わらず安定感なさそうだなあ。面倒くさそうだし、保険ってだけだから、やっぱり4sでいいか。う~む、悩む。

その検索で、iPhone6/6+、SIMフリー版が販売停止になっていることを知った。12/9日からだって。いやー、二年縛り終了を待たずの早めの決断、大正解だったわけだ。しかし、ボーナスとクリスマスと正月を控えての販売停止、どうしちゃったんだろう、Apple。気合い入れて買い態勢整えてた人もいるだろうに、MVNO業者もいざ ! と意気込んでいたんじゃないのか。実に気の毒である。

Appleからは何の説明もない、というのがなんだかいやだなあ。それでも許される、あるいは許されると思っている、つまりこれが通る、というのがひっかかる。少なくとも、消費者になんらかの納得いくアナウンスをするべきじゃないのか。それをしなければ、この急な展開は納得できない理由による、ととられても仕方がない。で、消費者が納得できない理由というのは、いずれにしても消費者の利ではない、ということだ。

この場合、誰の利になるのかを考えるべきか ? 中国か、もしくはアメリカのマーケット重視か、という声もあった。でも、供給とマーケットへの配分での品薄だとしたら、これは利益率重視というより、日本の消費者軽視、ということではないのか。つまり、日本人て文句言わないからね。一番めんどくさくないのが日本だろう、って選択。あと、利になるのは三大キャリアか。でもねえ、全体じゃそんな大した数じゃないんでしょう ? SIMフリーiPhone買う人。

う~ん、とにかくなんだかすっきりしない。気分いいあとだけに。
いや、自分だけ気分いいのは、やっぱりなあ。みんなで気分よくいきたいもんなあ。
という年の暮れ。

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