情けなや2

東京新聞_小選挙区24% 比例代表15% 自民 民意薄い圧勝_政治(TOKYO Web)
東京新聞web、印刷ページがあったのでPDFにして挿入してみる。
紙面画像も落とせるけれど、こちらのほうが読みやすい。

衆院選の投票率は小選挙区で59・32%。戦後最低を記録した。
一方、自民党の得票率は小選挙区が43・01%。比例代表は27・62%。ただし、これは投票した人の中での比率だ。
全有権者に占める比率は24・67%、比例代表は15・99%となる。選挙区でも比例代表でも自民党候補や党名を書いた有権者は「少数派」だ。

このようなずれは、十二党が乱立した今回の衆院選で、多くの候補が票を食い合ったことが最大の要因。特に、最大の争点の一つだった原発政策で「原発ゼロ」を公約する政党が小選挙区で競合し、結果として原発を容認する自民党を利した形だ。

もうひとつ。
選挙結果について/内田樹の研究室

「分割せよ而して統治せよ」(divide et impera) は帝国主義の基本である。
現代では領土的な分割はむずかしいので、「国論の分割」が有効である。
そして、日本は、戦後67年にわたるアメリカの支配がみごとに証明したように、国論の分割がまことに容易な国なのである。
日本が外交的に軽んじられている最大の理由は、軍事力の不足でも、経済力の弱さでもなく、たいせつな話になると国論が割れて収拾がつかなくなる国だからである。
今回の選挙結果から諸外国が日本について改めて確信したのは「あそこは腰の決まらない国だ」ということである。

個人的には、ここにもうひとつつけくわえたい。
日本は、大切な話になると自ら考えることを放棄し、
決定を政治家等に丸投げてしまう国
なのだ、と。

上記二つの記事に限らず、今回の自民党圧勝が漁夫の利であり、
小選挙区制で他党並立による死票が多かったためであることは、
共通の認識である。
確かに、小選挙区制でなければ、これほどの圧勝はありえないだろう。
民意をより忠実に反映する選挙制度にするべきであることも、その通りだ。

けれども、反映された民意=選挙結果が、
たかだか6割の人びとのものにすぎない国で、その国の民意とは何だろう。
4割の人の、考えない、向き合わない、選ばない、というのが、
最大の民意ということではないのか。
たとえ25%(選挙区)だろうと、16%(比例区)だろうと、
トップをとった政治集団に、全権委任を与えるという民意。

歯噛みするような思いにとらわれるのは、
残念ながら、このお任せ民意によって委任された政治は、
厳しい個人の目に晒されないことによって、
それら末端の個人の利益を最優先しなくてすむことだ。
かくて政治は、支持母体である業界団体の目先の利権によって動く。
お任せした人たちの利益は省みられない。
考えない、向き合わない、選ばない人々は、
自らに一番益の少ない政治を、結果的に選んでいるのだ。
なんと情けないことだろうか。

  • トップへ戻る
  • カテゴリアーカイブ
  • HOME

コメント

メールアドレスが公開されることはありません。* は必須項目です。


*