『ダマスカス-While I Was Waiting』を観た。
2011年2月にシリアに行った。
ダマスカスには日本の旅行会社の現地駐在員がいて、
たくさんの日本人観光客に来てもらいたいと意気込んでいた。
シリアにはそれだけ魅力のある歴史遺産と観光資源があった。
彼も、シリア人ガイドも、チュニジアから始まり、リビアが続き、エジプトで最高潮を迎えていた『アラブの春』は、シリアには波及しないだろうと言っていた。シリア人は教育レベルも高いし、無謀なことはしないのだと。
昼食のレストランで、食い入るようにテレビに見入っている人々を見た。画面にはエジプトの高揚するデモの様子が映っていた。
3月、シリアが動いた。
そして、今に至る。
上演後のアーティストトークの質問で、「希望とは何か」と問われ、脚本家ムハンマド・アル=アッタールは「希望は想定外のところにある」と、先日東京で大学生に行った講義の後、一人の受講者から届いたメールを読み上げた。
私の希望は、このような演劇が造られ、世界で、日本で、上演されるということ。
「シリアの状況は他人事と思えない」とアッタールにメールを送る若者が、この国にいること。
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