祝!安田純平無事帰還 & 二つの記者会見について

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無条件に安田さんの無事帰還を祝いたい。
本当に嬉しかった。
よくぞ耐え忍んだと思う。
帰還はその帰結だとも思う。

日本記者クラブでの会見をほぼリアルタイムで見た。チャット機能をオンにしていたら、のきなみ自己責任を問うレベルの低いコメントのオンパレードで、つくづく嫌気がさした。

「危険な地域に行くな」という輩には、「君はなぜそこが危険な地域だと知ってるの?」と問えば充分。そんな意見には全く耳を貸す必要は無い、と神保さん宮台さんは言う。全くその通りだと思うけれど、不快であるだけでなく、この国の狭量さ、冷たさにに心底情けなくなってくるのは否めない。ことは一部の人たちの話ではないと思うからだ。

安田さんがシリアで拘束されたのとほぼ同じ時期に、スペインのジャーナリストも拘束された。彼は10か月後に解放された。
鉄格子の監禁部屋、処刑される…常に恐怖 安田さんと同時期拘束の記者(朝日新聞 2018.10.25)

解放されたのはトルコ国境沿いだった。歩いてトルコ側へ国境を越え、トルコ軍に保護された。母国の国王や副首相から、電話で解放を祝福されたという。

安田さんは首相や官房長官や外相から、このような祝福を受けただろうか。本人の口からも、報道にも、そのような言及はない。

しばらく前、北朝鮮に拉致されていた米国人牧師が解放された時、トランプ大統領は自ら空港で出迎えた。2013年にシリアで拘束され、10か月後に解放されたジャーナリストを、当時のオランド大統領も空港で出迎えた。
なぜ?「人質解放」国によってこんなに違うメディアの反応(FNN PRIME 2018.10.31)

シリアで拘束されていたフリージャーナリスト・安田純平さんが解放されたことについて、フランスの大手紙は次のように伝えた。

「フランスでは、拘束されたフランス人が解放されると、空港で祝福される。しかし、安田純平氏は、祝福される代わりに、今回の事態が完全に彼の過ちのせいだったと考える一部の日本人からの侮辱にさらされなければいけなかった」。

同時に、いわゆる「自己責任」についても説明している。

「文字通りだと『個人の責任』という意味だが、(日本では、)制度や法令を守らない人に対して、ネガティブなとらえ方で『(そんな目に遭ったのは)当然のことだ』という意味で使われる」と説明している。

上記記事には、解放された4人のジャーナリストやカメラマンを出迎えるオランド大統領(当時) の写真が掲載されている。

日本でも、もし首相や官房長官や外相がこのような形で出迎え、あるいは彼の帰還を祝福するメッセージを発していれば、レベルの低い自己責任バッシングはこれほどには起こらなかっただろう。

ここには、ジャーナリズムに対する彼と我の認識の大きな差異がある。紛争地で起きていることを取材し、報道することの重要性。そして、紛争地で常に弱者に課される過酷な状況に対する「連帯」。

今日、日本外国特派員協会での記者会見を見た。冒頭の質問が、国境なき記者団の「安田氏は謝罪する必要がない。ジャーナリストとして戦地取材を試みたことや、耐え抜いて解放されたことはむしろ歓迎されるべきだ」という声明に関するものだったのが印象的だった。

安田さんの心身の回復を祈りつつ、今後の活躍を期待したい。

 

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