GoogleMap過信で迷子になった話 in マルタ&ローマ&渋谷でも…

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旅先でもすっかりGoogle Mapに頼るようになってしまった。
経路検索がことのほか便利で、バス・地下鉄の路線や発着時間まで検索できるのが実にありがたい。
事前に滞在ホテルや行きたい場所を保存しておけば、現在地からの経路検索で迷子にもならずに済む。
ゆえに、現地で格安に利用できるプリペイドSIMカードの取得が最大課題となるのだが、
このたび、複数国の周遊でもリーズナブルに、しかも事前に日本で購入できるSIMを見つけた。
その話は前記事に書いたが、ますます依存度の増したGoogleMapでトラぶったこともあった。

 

Googoleが苦手なスポッティング

そういえば今回ローマのホテルでは、地図をもらおうとすら思わなかった。これまではどこでも必ずもらっていたのに。もちろん、初めてのマルタ(のValletta とGozo島のVictoria)では街の地図をもらい、ホテル周辺の情報を書き入れてもらったりはした。現地の人から得られる情報は大きい。カフェやバーが時間で閉まってしまうマルタで、しかもホテルの部屋の冷蔵庫は空っぽ状態で、じゃあ水はどこで買えばいいの?とか。なのに、人よりGoogleを信じた場面で、まさに迷子状態になってしまったのだ。

マルタの巨石神殿でのこと。入口近くでバスを降り、ランチのためにうろついて帰る際、元来た道を戻ればよいのにGoogleMap表示の道をたどった。少しでも違う風景を見たいと思ったのだ。

ところが、どえらい遠回りをしたあげく道がないようなところにぶちあたってしまい、途方に暮れた。通りかかった土地の人が、もしかしたら神殿に行きたいの? それならここを戻ってその先を左だよ、と尋ねる前に声をかけてくれた。GoogleMapとぜんぜん違うじゃん! ここは土地の人を信じて進み、途中もう一人に確認。無事到着できたのだが、神殿跡地という広い領域のなかの、エントランスという一点にたどりつくのに、GoogleMapは使えなかった。

同じトラブルにローマのドムス・アウレア(ネロの黄金宮殿)でも見舞われた。余裕を持ってホテルを出たのに、徒歩15分ほどのはずがまったく入口がわからない。地下鉄コロッセオ駅の上まできて、コロッセオ周辺のガイド案内やホップオンポップバスのチケット売りに尋ねるも、皆知らないという。

そのうちの一人が、このあたりじゃなくて、コロッセオを半周戻って公園の中だか向こうだかで…と言うのも信用できず、それでも公園のあたりまで戻り、またレストランや散歩している人たちに聞くも、やはりわからず。とっくに予約時間に間に合うのはあきらめていたのだが、後発の(多の言語)グループに混ぜてくれるとも限らない。とにかく入口までたどり着かなければ話にならない。

ここで同じように迷っているイタリア人おばちゃまに遭遇。彼女はスマホなどは持たず(持っていてもGoogleには頼らず)、とにかく土地の人に聞きまくる。公園内の目立たない一角にようやく到着したのは、予約時間に一時間近く遅れたころ。

結果、空きのある午後のグループに振り替えてもらい、黄金宮殿見学は叶ったものの、ほぼ午前中を無駄に過ごす羽目になってしまった。Googleのばかやろう! と胸の内で怒鳴っても、責はむしろ案内図や標識の不備や、Googleを過信し、ガイドの一人の助言を軽んじたこちらにある。彼の説明を信じ、もう少し突っ込んで聞きただしていれば、あと30分早く入口までたどりついていただろう。

Google過信以前にもうひとつ、今回の場合は同じ原因であったのだが、目的地が公園内や遺跡の広い面積の場合、GoogleMapは敷地の中心やメインとなる箇所をスポッティングし、そこに至る一番合理的な道順を指し示す。入口ではないということ。

 

エントランスと住所もチェックすべし

検証のためにもう一度検索してみた。Domus Aureaと打ち込むと、Domus Aurea entranceという候補がでた(上記マップの★印)。こちらで経路検索すると、GoogoleMap上の黄金宮殿スポットより200メートルほど南の、正しい入口までの道順が示された。が、公園内を横切り、道なき道(道路名などのないような小道?)をたどっている。ただし、公園の周囲の公道からアクセスすれば、そうは迷わずに行けただろう。

また、公式予約サイトにも地図があり、そちらは正しい場所を示していた。このページも見ていたはずなのに、GoogleMapのマイプレイスに保存してあるから安心とばかりに、しっかりとチェックしなかった。ただし、Map上の黄金宮殿と相当離れているし、事前にもう少し注意深くチェックしたにしても、チケット売り場かインフォメーションだと錯覚して、やはり黄金宮殿を目指してしまったような気もする。

チェックすべきはもう一つ、住所である。サイトの情報ではVia delle Domus Aurea 1 とある。通り名は公園内を横切る、名前のある二本の通りのうちの一本であった。

 

Googoleより人に聞くべし!のシーン

目的地は正確に入力してね、とGoogleには言われそうであるが、じゃあどんなところでもentranceというスポットが出るのか。情報に掲載された住所は正確にエントランスなのか。ちなみに日本語で「黄金宮殿」はヒットするが、「黄金宮殿入口」は候補にも出ず、ヒットもしない。やはり、Googleより人、の場面もあるのである。

この記事を書いている最中、渋谷のクラブクワトロに行った。ここがまたわかりにくかった。当然GoogleMap頼みである。渋谷はGoogleだけでは遺跡よりもっと大変かもしれない。若者たちも皆、ごちゃごちゃとした、複雑な角度で複数に交差した通りを、スマホの画面を見ながら歩いている。

経路でたどって正しくたどり着いているはずなのに、クワトロ、どこにもその気配がない。ビルに看板ぐらいあるだろうと思っていたのだが、きょろきょろと看板群を見あげても見つけられない。誰かに聞こうと思いながら、ふとGoogleMapの口コミを見たら、BookOffが入っているビルの4-5階とあって、ちょうど通り過ぎたところであった。

渋谷のわかりにくさは、地下遺跡でも公園でもなく、巨大な空中密集楼閣がネックなのだ。そういえば横浜のTHUMBS UPもわかりにくかった。同じようにとあるビルの一角で、そのビル自体も見つけにくく、ぐるぐるとさんざん探し歩いたっけ。

だからそういうときは人に聞けってこと。なのに、なかなか人に聞けない。頼るものが他にあるとヒトサマを煩わすより自力で(スマホやネットで)何とかしようとなる。これはもしかしたら新たな、危惧すべき傾向なのではないか。人を頼るクセ、少し取り戻したほうがいいんじゃないのか、全日本的に。

 

黄金宮殿についてはあらためてどこかに書きたい。もしこの宮殿が火災や破壊で失われずに残ったらなら、コロッセオはなかったんだし。それだけすごいローマ遺跡なんだけれど、日本ではあまり耳にしない。華やかな観光遺跡になりえない原因にしても、歴史の綾やら何やら、いくつかの不幸な条件が重なっていて、でも、だからこそ、ネロの物語と併せて考察しがいのある、注目すべき遺跡なのである。

 

で、全然関係ない話だけど、クラブクワトロ、イタリア人にはちょっと気持ち悪い響きなんじゃないかと思う。quattroとはイタリア語の4の意味。表記はしっかりQuattroなのに、クットロじゃなくてクワトというのが。アクセントはロじゃなくてちゃんとワに置いてほしいわ、と。

はなから違うものなんだからつべこべ言うなよ、という向きもおられるだろうけれど、でも気持ち悪いのはいつまでたっても気持ち悪いのだ。たとえばTiramisù とかも。こちらのアクセントはティではなくてスにあるのが正しい。でもどうして単語によって、前のアクセントが後ろに行ったり、後ろにあるのが前に来たりするんだろう。何か日本語特有の法則性があるのだろうか。ラブがクラになるのような差異化(これも好きじゃない)とは別に。

 

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