『結婚帝国女の岐れ道』 上野千鶴子、信田さよ子 講談社/2004.5
(実際の対談はこの二年前)
この勢いなので、一応再読しておこうと昨夜読了。
やっぱりこの本は、二人の対話の妙が読みどころ。
それぞれが自分の拠って立つところから、鋭く相手に切り込んでいくのが、
そして、深め合っていくのが、本当にスカッと気持ちがいい。
正直さも、ほんとにすごい。
禁じ手としてのいくつかの言葉を再確認しておこう。
「自分探し」「本当の自分」「かけがえのない私」など……。
ロマンチック・ラブ・イデオロギーの欺瞞性や結婚幻想、
家族幻想は言わずもがなの前提。
女のセクシュアリティーの変遷は、今も、これからも、
ずっと考え続けるべき視点だと思う。
上野さんも指摘しているけれど、
わたしも信田さんを読んで大きく頷いていたこと。
家族の支配・被支配の関係で、被害者が同時に加害者でもあること。
アルコール依存症やDVの被害者である妻は、
自分がいなければ夫はだめになってしまう、などという論理で、
弱者からの支配力で夫に対する。
そして、子どもに自他の区別なく介入し、支配しようとする。
このとき彼女は、夫に対しても子どもに対しても、加害者であるということ。
信田さんの発言に、森瑶子がDVを受けていた、というような発言があった。
彼女の娘、アリア・ブラッキンの本は一度読んでいるんだけれど、
どういう書き方をしていたのか、はっきり覚えていない。
でも、この視点からも見なければいけないかな、とは思っていたので、
再読しようと、今日図書館で借りてきたところ。
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