「日中関係の大きな知恵を求めて」…視聴後の追記あり

フェニックステレビという香港のテレビ局が、
日中関係をめぐって中国、香港、台湾、日本の識者による討論番組を企画、
それをIWJが共同配信するという。
あす14日(土)17:05~。
番組には、私たちもアンケートにより、意見を反映させることができる。
アンケートページを覗いてみると、
すでに様々な意見が多数寄せられていて(公開されている)、
読んでみるとなかなか面白い。今アンケートに答えてきたところ。
日中関係の大きな知恵を求めて—
フェニックステレビ時事弁論会スペシャル番組 共同配信

さて、ここに挙げられている討論参加者たちは、
どのような主張を持った人なのであろう。
討論の深まりも行方も、人選でほとんどが決まってしまうような気がする。
視聴者のアンケートや意見が取り上げられるにしても、
それを選ぶのは局側である。
つまり、企画者の意図がどのようなものであるのか。

フェニックステレビという名前を初めて聞いた。

香港に拠点を置く中国語圏向けの総合番組チャンネル。ビジネスマンやエリート層の視聴者を中心に、硬派な番組を提供。最新情報満載のニュースや討論番組が充実し、柔軟性と客観性を持った内容は高く評価され、中国国内で益々人気上昇中!
(スカパーの視聴案内)

「全世界の華人向けのCNN」を目指している。

東南アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリアなど世界150カ国以上で視聴できる。中国大陸だけで推定2億人の視聴者がいるとされる。「中国で最も尊敬される企業」に8年連続で選ばれており、中国大陸を中心に中国語圏で最も有名で人気のある放送局と言ってよい。台湾では放送が許可されていない。

日本では、NHKのBS1が『アジアクロスロード』で放送している「時事弁論会」という討論番組が特に有名である。テレビ朝日とは共同番組を制作するなど協力関係にある。
(Wikipedia)

いやあ、私が無知なだけでした。失礼いたしました。

でも、今回、NHKでもテレビ朝日でもなく、
IWJ(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)で、
というのは何故なんだろう?
共同配信はフェニックスからの申し出だったという。
私はIWJの市民ジャーナリズムや、インタビュー番組を評価しているけれど、
配信力ではテレビの比ではないだろう。フェニックスが、
テレビではなくネットメディアを選んだ理由というのは何か?

ちなみに、『アジアクロスロード』は2011年3月に番組が終わっていた。

【追記 9/15日】

番組は夕方のドタバタしている時間帯で、
一時間ほどしか視聴できなかった。
(TVのように録画できるといいのになあ)
今日になってTogetterをチラ見。
以下、視聴範囲の感想メモ。

印象に残ったのはまず、中国側の発言で、
中国が大国となり日中の力関係が入れ替わっているのに、
そのことに対するそれぞれの認識が薄い、という発言。

中国はアジアのトップリーダーとして責任ある振る舞いをすべき、
日本は力関係で劣位になったのを素直に認め、謙虚になるべき、
ということだろうか?

これはGDPで日本を抜いたことや、軍事費の多さを言っているのだろう。
加えて経済活力、人口などもあるのか。
確かに国際世界における中国の重要性は、政治でも経済でも日本の比ではない。
にしても、ちょっとびっくりしたのは事実。
その口っぷりの無邪気さ、単純さ、臆面の無さに。
ああ、これが中華思想ってやつ? と思ったりして。

これに対し、宮家氏だったか、
それはどうなのか、GDPだけで大国と言えるのか、それに、
いつか力は失われると、日本を例に一時の力を誇る無意味さを指摘。
その落ち着いた答弁が際立った。
でもきっと、中国はこのようなかたちで、
自分たちのプレゼンスやアイデンティティーを、
まず自分たちに宣言主張する必要があるのだろう。
(かつて大国だった)自国の誇りを再び取り戻したいという、
強い思いが、あるのだろう。

討論は激す中国に対し、諭す日本という雰囲気だったけれど、
日本のおもちゃに中国戦車攻撃が盛り込まている、など、
日本の嫌中、反中の例が出されると、
司会者がそういう細部の話ではなく、
(日中の関係改善のために)大局的な知恵を出し合おう、
と軌道修正する場面も見られた。

ただ、李さんという上海の前日本研究センター主任という女性は、
安倍首相が迷彩服を着て戦闘機731に乗るような振る舞いを、
ああいうことをされて中国人がどう感じるかわかるか、
誤った歴史認識を持つような国は信用できないと、
痛烈かつ感情もあらわに批判。
落ち着いて話しましょうと、日本側はこれに正面から答えず。
ここで、中国のTVドラマでの日本軍の描き方や半日教育、
反日デモや暴動などを出してやりあっても意味はない。

日本側は尖閣その他をめぐって、石原前都知事に始まり、
野田民主党も安倍政権も、関係改善ではなく、
一層こじれさせることばかりしている政治家とその政策を、
(中国大陸二億の視聴者を相手に)批判するわけにいかず、
尖閣実効支配は言うものの、どうも歯切れが悪い。

その後この点でどういうふうに討論が展開したのか、
Togetterだけじゃよくわからないけれど、
とにかく、戦争なんかしても両国にとって得なことは何もない、
戦争などと言うも愚かなことだ、という、
最低限の確認だけはできたんじゃないかな。

アンケートの結果は、討論にほとんど絡まなかったように思う。
紹介されたコメントはほんのわずかで、当たり障りのないもの。
まあこんなものかもしれないけれど、
日中の政治家どちらが優れている?との設問に、
中国側はもちろん中国という答えが多い。一方で、
日本側の日本という答えは驚くほど少ないことが「面白い」
と紹介された。

これはね、答えたのがIWJ視聴者だからです。
日本全体でやったら(フェニックスTVは中国全土でやっているのだろう)
また違った数字になるはず。
それから日本では、政治家の批判も一応できるしね。

日本からの指摘で意味があると思ったのは、
これは両国とも内政問題である、としっかり言い切ったこと。
両国ともナショナリズムの暴走を押さえなければいけない、
と指摘したこと。
日本では当たり前に言われていることだけれど、
これが中国で同じように言われていたとは思えないので。

最後に、NHKが番組について取り上げたニュース。
ただし、日本でもIWJで配信された事実は伝えず。
おまけに、対談の要約もおそまつ。
・香港で日中関係の討論番組放送

フェニックステレビは中国政府に近い論調をとる報道で知られますが、番組では日本政府の立場を説明する専門家の発言をそのまま伝えるなど、異例の対応をとりました。
今回の討論番組を放送することについては中国政府も容認しているとみられており、外交筋の間では、沖縄県の尖閣諸島を巡って冷え込んだ日中関係の改善を図りたい中国側の思惑を反映したものだという見方が出ています。

だからあ、なぜNHKは配信しなかったのさ?

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