少し前、エジプトではこの112年間で初めて雪が降ったと話題になった。
寒波は中東全体に及んでいる。
冬が観光シーズンのエジプト、少し明るい話題もある。
一部地域で、外務省の渡航情報レベルが引き下げられたのだ。
外務省は12月13日、エジプトの渡航情報について、シナイ半島のアカバ湾に面したダハブからシャルム・エル・シェイクまでの沿岸地域とルクソール、アスワン、アブシンベル、ハルガダの各都市岸地域を「渡航の是非を検討してください」から「十分注意してください」に引き下げた。外務省によると、引き下げた 地域では、デモやデモに伴う衝突はほぼ見られず、落ち着いた状況。主要な観光地やリゾート地が多いことから、観光警察などにより厳重な警備がおこなわれているという。
北シナイ県やエジプト全土では「渡航の是非を検討してください」のままだけれど、
地方の観光関連地域では安全が確保されるとみて、一部旅行会社はツアーを組みだした。
カイロには立ち寄らず、移動は航空機やクルーズを利用するなど工夫している。
・エジプト、渡航情報一部引き下げ-ツアー再開の会社も (Travel Vision 12/17)
あれだけの観光資源があるということは、訪れてほしい人たちにとって、
外貨という直接的な利益だけではない意味がある。
世界の期待はまた、世界の要求でもある。
自分たちがどうあることが自分たちの利益になるのか。
世界が求める平穏・安全であることが、誰よりもまず自分たちを利する。
外の世界に向かう開かれた視点や姿勢があるということは大きい。
エジプトでは、デモに対する締め付けが強まり、
女子高生がデモに参加したとして逮捕された。
かなり重い刑が求刑されたものの、判決は執行猶予つきの軽いものになった。
世界の目に対する配慮が、ここでも多少は機能したのかもしれない。
翻って我が国も、同様に世界の目にさらされている。
別記事で書きたいけれど、秘密保護法のこと。
この国が民主主義国家としてお手本となるような国ではないこと、
それどころか、民主主義がずるずると後退している時代錯誤の国であることが、
世界に明らかになったのが秘密保護法だ。
このように見られているということを、この国はどれほど意識しているか。
同性愛者に対する差別を露わにした法律に対する抗議として、
ソチ五輪の開会式に欧米首脳クラスが不参加を表明した。
秘密保護法も世界の現代の人権意識に逆行する法律であるということを、
推進に動いた人は東京五輪に重ねて考えてみたらいかがだろう。
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