モスル解放の報。毎日の記事から。
モスル制圧、首相「虚構の国家が崩壊」
イラクのアバディ首相は10日、国営テレビで演説し、2014年6月に過激派組織「イスラム国」(IS)がイラク北部モスルを占領して以降、約3年間続いた戦闘に勝利したと正式に表明した。首相は「テロリストによる虚構の国家が崩壊したことを宣言する」と述べ、今後は地域の安定を取り戻すため、「国民の団結が必要だ」と呼びかけた。
「虚構の国家」と言うけれど、ISが生まれた理由はあった。それは虚構ではない。このあとの国家再建と安定にも、その理由を「虚構」と切って捨ててはいけないと思う。
7/12
朝日新聞も「イスラム国」を「偽り」「まやかし」としながらも、ISは「国家」運営に失敗した、とも書いている。
「国家」について、考えさせられる。そもそもISとは、イラクという(フセインの)国家が一度破壊され、その再建がうまくいかなかったところに生まれ、成長した鬼子だった。
モスルの人々は、そんな鬼子から、周囲の(国際社会の)国家暴力の下に「解放」はされた。一日も早い復興を願うとして、ではどこに向けて「復興」するのか。復興のモデルはあるのか。
アメリカは引き続き駐留するという。ではイランは?
そして、シリアはどうなるのか。ISと最前線で戦っているクルドは?
クルドに武器供与してきたアメリカは? 反クルドのトルコは?
アサド支持のロシアは?
結局、これらの周辺の国家(国際社会)の思惑に、イラクもシリアも引きずられていくしかない。そんなイラクやシリアは、「虚構の国家」ではないのか?
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